歴史-発売
出典: CappuccinoWiki
1991年10月7日 スズキは11月1日からカプチーノを発売すると発表。
発表されたスタイルは東京モーターショーで見られた「P-89」のスタイルを踏襲し製品化されたものであった。
- 発売日 1991年11月1日
- 発売価格 1,458,000円(税別)
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プロローグ
スズキは軽自動車のトップメーカーとして、これまでさまざまなカタチで、走る楽しさと使いやすさを追求してきました。第2次軽自動車ブームを創造したアルト、軽自動車を超える質感を実現したセルボモード、マルチパーパスカーとして機能と合理性をめざしたエブリイ、20年連続年間販売台数第1位の実績と信頼が光るキャリイ、雪道やラフロードを軽々と走破するジムニーなど、セダンからコマーシャルカーまで幅広い分野で、軽自動車の多様な可能性を提案しつづけています。その可能性をさらにひろげ、次代へ向けて大きく踏みだすものとして、1989年の東京モーターショーでプレゼンテーション(参考出品)したのが、オープンマインド2シーター「カプチーノ」です。軽自動車は、いまや次々と活躍のフィールドをひろげ、さらに大きな未来を開いている。そう主張するカプチーノは、おかげさまで予想以上の支持をいただき、主張は確信に変わりました。あれから2年。スズキはこの小さなオープンモデルに、より磨きをかけ、多くの新機軸をも取り入れて、いま再び市販車として世に問います。乗る人それぞれの素敵な暮らしにベストな車をお届けしたいと考えるスズキから。Personal Bestの思想を、また一歩進める一台です。(広報資料より)
スタイル
東京モーターショーで発表されたショーモデルの基本フォルムを踏襲し、全長を軽四輪の新規格での拡大とともに100mm延長させた。
ロングノーズ・ショートデッキ、2シーター・フルオープンの姿は、これまでの軽四輪には無かったスタイルであった。
特にエンジンレイアウトをFRとしたことは画期的で、同時期に発売されたビートやAZ-1などのミッドシップレイアウトではロングノーズ・ショートデッキのスタイルは実現できず、FFレイアウトのエンジンをそのままリヤに移植する形となったライバルとは思想が全く違うものであった。
キャラクターラインを使わずに、曲面だけでウェッジシェイプを作り出したスタイルも特徴的。
先行して発売されたユーノス・ロードスターが採用したリトラクタブル・ヘッドライトは採用せず、車に表情を持たせるスタイルを採用している。
雑誌紹介
K-CARスペシャル
- Vol.28 1991年11月30日発行
- タイトル「超ド級Kスポーツ『スズキ・カプチーノ』のすべてを速報
発売当初
初生産分で純正オプションのCDチェンジャーをトランクに取り付けるとトランクフードが閉まらない事案が多発した。原因は取り付けステーの採寸ミスで、チェンジャー本体にトランクアームが当たっていた。すぐに対策品が出た。
海外販売
当初国内だけの販売を予定していたが、モーターショーを通じて英国スズキからの強い要望があり、カプチーノは海外ではイギリスでも発売され、英国ではオーナーズクラブ「SCORE」も立ち上がった。。
イギリス輸出台数:1,182台
英国仕様の特徴
イギリス国内での規格にあわせて変更されている。
- バック・ランプと同形状のリヤフォグ
- フロントウィンカーが2分割され、ポジション・ランプがセットされている
- サイドマーカーが球面
- エアコンレバーが凹凸規制のため引っ込んでいる
- 速度計がマイル表示(km/h併記)
- オド・メーターがマイル表示
- メーター内のワーニングランプ類
- 日本仕様:シートベルト警告灯 ⇒ 英国仕様:エンジンチェックランプ
- 日本仕様:マフラー異常温度警告灯 ⇒ 英国仕様:ハザード表示灯
- 日本仕様:エンジン警告灯 ⇒ 英国仕様:パーキングブレーキ(サイドブレーキ)作動灯
受賞
- 1992年 Auto Design
- Gold Medal Winner for Best Sports Car under £20,000.
- 1993年 グッドデザイン選定商品
- 1994年 IBCAM BRITISH STEEL Auto Design Awards
- Best Sports Car Under £20,000
スズキのホームページ
1997年当時のスズキのホームページに紹介されたカプチーノのページ。
販売終了
1998年半ばにカタログから消え、同年11月に最後の1台を発売して販売は終了した。最後の1台はZ1D(ブリティッシュグリーンパール)であった。
国内総販売台数(輸出含まず):26,480台(26,474台、26,583台の説あり)
販売終了の主な理由は、
- 販売台数の不振
- 新しい軽自動車の規格に含まれる側面衝突テストがクリアできない
ことが挙げられる。
特に、側面衝突テストでは、ドアの上面(窓との境目)の高さで行われるため、ドアを高くするというデザイン上の問題が大きかったようである。